徹底比較:貨物軽自動車運送で最も乗られている「軽バン」
各社「軽バン」の違いって、さほど変わらないように思うんですが?
毎日仕事で乗る車なので各社軽バンの違いは仕事にも多少の影響があるんですよ。今回は各社軽バンを比較してみました。
コロナ禍での軽バン需要の高まり
前記事「考察:コロナ禍が物流業界に与えた影響とコロナ後の展望」でも記述しましたが、コロナ禍で生活様式が大きく変化し、巣ごもり需要の高まりに伴い、ネット通販が拡大しました。
特に、B2B貨物の減少に反比例するようにB2C・C2C貨物が大幅に増加した事で、貨物軽自動車運送と軽貨物ドライバーの需要が高まっています。
そうした需要増に合わせて、貨物軽自動車運送に欠かせない軽バンの市場が活性化し、ネット通販の宅配を行う軽バン起業にも注目が集まっています。
では、軽バン市場の情勢を見てましょう。
各社軽バンの販売台数
1 | ダイハツ・ハイゼットカーゴ | 17,725台 |
2 | スズキ・エブリィ | 16,634台 |
3 | 日産・NV100クリッパー | 9,210台 |
4 | ホンダ・N-VAN | 8,949台 |
5 | トヨタ・ピクシスバン | 2,295台 |
6 | マツダ・スクラムバン | 1,543台 |
7 | 三菱・ミニキャブバン | 1,364台 |
8 | SUBARU・サンバーバン | 1,140台 |
この表を見てみると、ダイハツのハイゼットカーゴが一番人気で、次にスズキのエブリィ、日産のクリッパーが続いています。
軽バンのカテゴリーで実質的に存在しているのは、ホンダのN-VAN、ダイハツのハイゼットカーゴ、スズキのエブリィで、その他のモデルはいずれかのOEMとなっています。つまり、OEMを含めた販売台数を見てみると、市場からの支持が見えてくるわけです。
まずホンダのN-VANは、スズキ・エブリィのOEMである日産クリッパーに及んでいません。
そうすると、ダイハツ・ハイゼットカーゴとスズキ・エブリィとなるのですが、次の表をご覧ください。
ダイハツ・ハイゼットカーゴ | OEM(ピクシスバン・サンバーバン) | 21,160台 |
スズキ・エブリィ | OEM(NV100クリッパー・ミニキャブバン・スクラムバン) | 28,751台 |
2021年度第一四半期の販売台数だけで言えば、OEMを含めたスズキ・エブリィが最も乗られている軽バンだと言えます。
次に、OEMを含んだスズキ・エブリィが支持されている理由を考えてみます。
各社軽バンの荷室スペック
軽バンを乗用車としてではなく貨物車として比較評価する場合、荷室のスペックが重要視されます。次の表では各社軽バンの荷室のスペックをご覧いただけます。
スズキ・エブリィ | 荷室長:1910mm | 荷室幅:1385mm | 荷室高:1240mm |
ダイハツ・ハイゼットカーゴ | 荷室長:1860mm | 荷室幅:1375mm | 荷室高:1235mm |
ホンダ・N-VAN | 荷室長:1510mm | 荷室幅:1390mm | 荷室高:1585mm |
スズキ・エブリィはダイハツ・ハイゼットカーゴに対して全ての項目において上まわっています。貨物車としての使い勝手を考えると、少しでも荷物を多く積める方が有利なわけですから、スズキ・エブリィとOEMが支持されている理由がわかります。
また、ホンダN-VANは荷室幅と荷室高で他を上まわっているのに市場で苦戦している訳は、その価格にあるのかもしれません。
スズキ・エブリィ | ¥968,000〜¥1,530,100 |
ダイハツ・ハイゼットカーゴ | ¥95,1500〜¥1,534,500 |
ホンダ・N-VAN | ¥1,276,000〜¥1,762,200 |
徹底比較まとめ
ダイハツ・ハイゼットカーゴは人気があると言えますが、OEMを含めた場合、スズキ・エブリィが貨物車として最も支持され乗られている軽バンだと言うことができます。
貨物軽自動車運送事業車として登録すると新車でも2年車検になるので、比較的走行少なめの中古車がコスパも良く、狙い目かもしれません。
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